山歩きを始めたきっかけ
ちょうど2年前の今時分の話です。
当時の僕は、仕事での慢性的なストレスと長時間残業で、ギリギリの精神状態の日々を過ごしていました。過去、転職で大失敗し鬱になって退職に追い込まれたあげく、無職期間が長引いて散々な目に遭ったのですが、同じ轍は二度と踏むまいと必死に堪えていたと思います。
そんな折、鳥取の三朝温泉へ行ったのですが、途中「日本一危険な国宝」というフレーズに惹かれて三徳山三佛寺投入堂を訪れました。 行ったことのある方はご存じかと思いますが、ここは木の根や鎖場などのある山道を一時間ほどかけて登っていくような場所です。運動不足でバテバテになりながらも、途中で立ち寄ったお堂からの眺めや投入堂にたどり着いた時は達成感と満足感で一杯になりました。
自分の足で登りきった高い場所から眺める景色に心を動かされるとは思いもしませんでした。もしかしたら、自分を救ってくれる趣味になるかも。そう考えて山歩きを始めてみることにしました。
30半ばを過ぎて始めた趣味ですが、出会えて本当に良かったと思っています。どんな低い里山でも山頂からの展望がいいと、全てがどうでもいいぐらい小さなことに思えて頭と心のモヤモヤが晴れてスッキリしてきます。気分が沈み億劫になって山に行けなくなる日もありますが、自分を支えてくれている大切な存在になっています。